吉野川市の伝統行事「鴨島大菊人形」に合わせて開かれた第84回四国菊花品評会で、鎌田義幸さん(88)=同市鴨島町中島=の「立菊12鉢花壇」が第1席の農林水産大臣賞に輝いた。半世紀近く取り組んできた作品作りの集大成として出品し、花の咲き具合やバランスなどが評価された。鎌田さんの同賞受賞は2年ぶり7度目。
12鉢花壇は品種の異なるキクを12鉢に1本ずつ植え、それぞれ3つに枝分かれさせて咲かせた花の大きさや色合い、全体のバランスなどを競う花形種目。受賞作は白や黄、紫の直径25センチの大輪を付けたキクを背丈105~165センチにそろえた。
栽培歴50年の鎌田さんは、自宅のビニールハウスに30種50鉢を保有。今年は8月の猛暑や9月の日照不足の影響で対応に苦心した。長年の経験を基にハウス内の温度調整や水やりの工夫、病気などの予防に努め、開花のピークを審査がある今月上旬に合わせた。
約50人が活動する鴨島菊友会では最年長で、12鉢花壇への出品は40歳すぎから続けてきた。しかし、手間がかかる菊作りは身体的な負担が大きく、今回の出品を最後に決めていた。鎌田さんは「米寿を迎える年に大臣賞を受賞でき、喜びもひとしお」と話した。
品評会には県内の愛好家ら18人が6部門に41点を出品。農水大臣賞を含む7点が選ばれた。25日に市役所で表彰式がある。