農林水産省は24日、今年新たに認定制度を設けた「日本農業遺産」と、国連食糧農業機関(FAO)に認定を申請する「世界農業遺産」の候補として、徳島県西部4市町の急傾斜地農法「にし阿波の傾斜地農耕システム」など9県の10地域が、専門家会議による国内1次審査を通過したと発表した。

 徳島以外で審査を通過したのは香川、愛媛、埼玉、山梨、静岡、新潟、三重、宮城の各県。三重は2地域が入った。12月から来年3月ごろにかけ、現地調査とプレゼンテーションの最終選考を実施。日本農業遺産が決まるとともに、世界農業遺産の国際審査にエントリーする地域が承認される。

 徳島県西部4市町では1月中旬の現地調査を予定。専門家らがつるぎ町、三好市などの傾斜地畑を訪れ、初秋に刈ったススキやカヤを三角錐状に積み上げて、保存用肥料とする「コエグロ」といったなどの独特の風景を視察する。

 傾斜地農耕システムを申請した「徳島剣山世界農業遺産推進協議会」の篠原尚志事務局長は「国内最終選考では、急傾斜地の厳しい条件に適応した暮らしや景観、土壌流出を防ぐ農耕技術などをアピールしたい」と話した。

 農業遺産は伝統的な農法や農村文化を登録する。林業、水産業も対象に農水省が4~9月に公募し、徳島など15県19地域の応募があった。