文化庁が25日発表した2016年度地域文化功労者に、徳島県からは芸術文化功労で阿波踊り・阿呆連会長の山田隆さん(77)=徳島市吉野本町6=と、文化財保護功労で鳴門市文化財保護審議会委員長の木下覺さん(74)=同市北灘町粟田=が選ばれた。12月2日に文部科学省で表彰式がある。
山田さんは1964年に阿呆連に入り、3年目から担当している鉦(かね)では名手と評されてきた。99~2008年に連長、同年から会長を務め、連の代名詞である正調踊りの継承や後継者の育成に尽力している。
07年に県内で開かれた国民文化祭では開会式の踊りの総合演出を担当するなど、国内外の公演を主導して阿波文化の発信に貢献してきた。08~12年に阿波おどり振興協会会長、12年から同特別顧問を務めている。
木下さんは元小学校理科教諭。1988年から鳴門市文化財保護審議会委員、今年から同委員長を務める。豊富な植物の知識を生かして「大麻比古神社のクスノキ」などの市文化財指定に尽力した。
04~16年、県文化財保護審委員としてつるぎ町の「端山のタラヨウ」を調査し、県文化財指定につなげた。県内各地の貴重な植物の保護・保存を自治体などに呼び掛けており、県植物研究会会長や阿波学会副会長も務めている。
16年度の地域文化功労者は全国で78人、20団体の計98件(芸術文化53件、文化財保護45件)。