唐渡さんが収穫した美~ナス。一部はプラネット・テーブルに出荷し、都内レストランで使われた=阿波市市場町

 全国の農産物を都内のレストランへとつなぐ食材流通のベンチャー企業「プラネット・テーブル」(東京)の流通システムを利用する生産者が徳島県内で増えている。比較的高値で買い取ってくれる上、通常の出荷に必要なパック詰めの手間が省ける利点があり、新しい販路として注目されている。

 県内からは11月上旬までに50軒が、プラネット社の構築した食材流通システム「SEND(センド)」の利用登録をしている。トマトやイチゴといった登録産品を収穫した後、プラネット社の配送センターに出荷。同社が全量を買い取り、インターネット上に設けた食材リストに掲載し、都内レストランから注文を受ける。

 白ナス「美~ナス」やサラダ用葉物野菜を手掛ける唐渡義伯さん(44)=阿波市市場町切幡=は美~ナスを8~9月、週当たり平均15キロのペースで出荷した。「規格外品も扱ってくれて助かるし、再利用の段ボールに入れて送ればいいので手間が省ける」と気に入っている。

 実際に食材として使ったシェフの感想やニーズをプラネット社を通じて把握できることから、意欲が高まり、栽培計画を立てるのにも役立つという。

 プラネット社はセンドを2015年8月に稼働させた。一定水準の価格で買い取ってもらえるよう、客単価5千円以上の個人レストランを対象とし、配送も自社で行う。中間マージンが発生しないため、生産者からの買い取り価格はおおむね通常の販売ルートより高い。

 稼働から1年で利用登録は生産者が約3千軒、レストランが約1200軒に上り、急速に広がった。県内では県やJAでつくる「とくしまブランド推進機構(地域商社阿波ふうど)」が8月、同社の菊池紳最高経営責任者(CEO)を招いた研修会を開いてから登録が伸びた。

 機構の溝口康統括マネジャーは「生産者にとって手掛けた農産物が都内の高級レストランで使われれば励みになる。卸売市場を介した従来の販路とともに大切にしたい販売ルートだ」と話している。