徳島県が身体障害者を対象に実施している職員採用試験で、受験資格に「介護者なしで職務の遂行が可能」との条件を付けていることが1日、分かった。募集段階で特定の障害者を制限するような条件を付けるのは差別に当たる恐れがあり、県人事委員会は「見直しを検討する」としている。
県の2018年度の身障者向けの受験案内書類には、受験資格の一つとして「介護者なしに原則1日7時間45分、週5日間、計38時間45分の職務の遂行が可能な者」と記載。人事委によると、身障者を対象にした採用試験を導入した09年度から、同様の条件を設けているという。
人事委は経緯について「職員には地方公務員法で守秘義務が課されるので、職員以外の介護者が書類やデータに触れるのは問題があることなどが理由」と説明する。
一方で「特定の人を排除する意図はない。誤解を生じさせる恐れがあり、国で削除の動きもあるので、見直しを検討したい」としている。
県身体障害者連合会の久米清美理事長は「障害者差別解消法の施行に合わせて県が独自に制定した条例にも、差別の禁止や障害者に対する合理的配慮がうたわれている。特定の障害者を制限するような条件の見直しは当然だ」と話した。
県の18年度の身障者向け採用試験は一般事務3人、学校事務1人、警察事務2人の6人程度を募集し、計15人が申し込んだ。10月21日に1次試験を行い、11月中に2次試験を実施。12月上旬に合格者を発表する。