吉野川市は、同市鴨島町鴨島の旧麻植協同病院跡地(約1万1千平方メートル)に、全国規模のスポーツ大会を誘致できるアリーナ(屋内競技場)を建設する。2019年度末の完成予定で、図書館や子育て支援施設も整備。多世代が利用できる地域コミュニティー拠点として位置付け、空洞化の進む鴨島駅前周辺のにぎわい再生につなげたい考えだ。川真田哲哉市長が28日開会の市議会12月定例会で明らかにした。
病院本館などの老朽化した既存施設を解体し、750人を収容できる2階席を備えたアリーナ(延べ床面積約5千平方メートル)を新設する。バレーボールコート3面分の広さがあり、練習などに使うサブアリーナやトレーニングルームも設ける。中学・高校生や社会人の全国大会をはじめ、展示会やフォーラムといった大型イベントの誘致を目指す。
耐震基準を満たす4階建ての北館(延べ約5千平方メートル)は解体せずに活用。図書館や保育施設、サテライトオフィス向けの貸しスペースや作品展示コーナー、カフェなどを設ける。駐車場は150台分を確保する。
土地・施設を所有するJA徳島厚生連が建物を解体後、市が跡地を購入する。事業費は土地購入費を含めて約43億円を見込む。市は財源として、合併特例債や文部科学省関連の国交付金などを充てたいとしている。
跡地再開発に合わせて、市は鴨島駅近くの商店街アーケードの改修や撤去、路面のカラー舗装、駐輪場整備なども行う。完成は21年度末の予定。
麻植協同病院は昨年5月、吉野川医療センターの開業に伴って閉院。跡地は鴨島駅前中央通りに近い吉野川市の一等地にあり、活用策が市政の課題となっていた。市は昨年末、官民でつくる「市中心市街地活性化懇話会」を発足させ、跡地の有効利用を軸とした町づくりを協議してきた。
川真田市長は「子どもから高齢者まで幅広い世代が利用できる多様な活動の場を整備し、鴨島駅周辺の活性化を推進したい」と話している。