日本ミシュランタイヤは29日、レストラン格付け本「ミシュランガイド東京2017」の掲載店を発表した。最高評価の「三つ星」は12店。東京版は今年10年目で、徳島市出身の神田裕行さん(53)=東京都世田谷区=が店主を務める日本料理「かんだ」など4店が10年連続で三つ星を維持した。
神田さんは、都内のホテルであった記念パーティーで表彰され、「三つ星をキープすることを心の支えにやってきた。素直にうれしい」と喜びをかみしめた。
2004年5月に港区元麻布に店を構えた。ミシュランガイド東京が最初に発行された07年から一度も星を落とすことはなかった。三つ星を取り続けてきたのは4店しかなく、日本料理では「かんだ」だけだ。
紙に書いたメニューはなく、客の希望に応じて神田さんが即興で料理を供する。「目の前にいるお客さんを喜ばせたい一心で、まじめにこつこつと料理を作り続けてきた」
徳島産食材をはじめ藍染ののれん、阿波手すき和紙のランチョンマットと、店のあちこちに古里への思い入れがにじむ。巻きずしや茶わん蒸しの作り方を教えてくれた両親をはじめ、家族や仲間への感謝を口にしながら「これからも毎日、調理場に立つ。それだけです」と抱負を語った。