山に茂った雑木を除去する住民と参加者=神山町神領の谷地区

 神山町神領の谷地区の住民有志が地元の里山を整備し、自然に根差した暮らしの魅力を伝える「山学校」の取り組みを始めた。同地区在住の元町地域おこし協力隊田中泰子さん(42)=旧姓橋本、徳島市出身=の呼び掛けに、住民が賛同。第1弾として11月には城山神社周辺で、昔話を紹介したり里山を整備したりする“授業”を開いた。

 城山神社での“授業”には、古庫久代さん(69)ら住民9人と、地区外に暮らす移住者ら12人が参加。古庫さんらが「山には炭焼き小屋があり、弁当を持って一日、火の当番をした」などと、かつての山に親しんだ暮らしを紹介した。

 その後、参加者全員で、山を覆う雑木の伐採作業に汗を流した。古庫さんは「山も喜んでいるはず。地区に新しい風を吹かせてくれるのはうれしい」と話した。

 田中さんは協力隊だった2013年、神山で暮らす人々を追った映像作品「ある日 森で、、、」を制作。取材した男性から「山学校」という言葉を聞いた。登校中に山に入り、遊んで学校になかなか行かない状態のことを指す言葉で、それ以来、自然が大好きな田中さんは「山学校」に引きつけられた。

 田中さんが現在暮らす城山神社周辺は広葉樹の森が広がり、「山学校」を開くにはぴったり。近所の住民に相談すると、管理者が高齢になった約0・3ヘクタールの山を借りる話がとんとん拍子に進み、賛同する声も広がった。

 谷地区が受け皿となり、国の森林多面的機能発揮対策交付金を活用。16年度は、里山でのまき割り体験やキノコの原木作り、竹細工教室などを5回程度開く。17年度は、子ども向けの体験授業も増やしたい考えだ。

 田中さんは「地区の人への感謝も込め、薄れている自然文化に光を当てる場に育てていきたい」と話した。