高校生に安全な自転車に乗ってもらおうと、徳島県は県内の公立高校に自転車安全整備士を派遣し、不具合がないか点検する取り組みを進めている。整備不良の自転車は交通事故に遭う危険性が高いため、生徒にも積極的に整備する意識を持ってもらう。
点検は、県自転車軽自動車商協同組合の協力を得て9月から実施している。自転車安全整備士が各校を訪れ、1年生全ての自転車を対象にタイヤの空気圧やブレーキの利き具合、チェーンのたるみなど22項目をチェック。項目ごとに「異常なし」「要調整・要修理」「要交換」の3段階で結果を記した点検表を生徒に渡している。
点検結果を踏まえて修理するかどうかは任意だが、各校は不具合がある場合は自転車店などで整備するよう促す。自転車側が加害者となる場合もあるため、自転車損害賠償保険への加入も勧める。
11月15日には徳島市の徳島北高校を安全整備士3人が訪問。生徒らとともに183台を点検した。1年生の滝本啓太さん(16)は「細かくチェックしてくれて安心。自分でも普段から点検するよう心掛けたい」と話した。
年内に県内の公立高校29校で約3900台を点検する。これまでに点検を終えた20校2136台では、要調整・要修理が43%、要交換が22%と全体の65%で何らかの不具合が見つかっている。
県生活安全課は「自転車に関心を持ってもらい、交通ルールの順守や運転マナーの向上につながることを期待したい」としている。