徳島市はどうも1200席をお望みらしい。市文化センター跡への新ホール建設計画で、四つの候補案を示した。核となる大ホールを1200席とする案が三つ、1500席が一つ。意向は火を見るより明らかである

 解し難い。人気アーティストを呼ぶのに収支面も含めて必要な水準―という確たる根拠から1500席と決めたのではなかったか

 遠藤彰良市長の就任後、予定地が二転三転した揚げ句に現地建て替えとなった。敷地が狭く、旧センターと同規模でなければ無理と判断したのなら安易過ぎる

 早く造るため? 市民の発表の場を優先するため? 口角泡を飛ばしてこれまで積み重ねてきた議論を、平然と脇に追いやるとはいただけない。案の定、先の有識者検討会議は席数を巡り意見が割れ、結論は先送りとなった。着地点を果たしてどこに見いだすか

 迷路をさまようのであればこの際、県との連携を考えたい。県の元ナンバー3が副市長に就いてパイプは十分なはずだが、話し合いの一つもないのだろうか。事業費の負担も用地確保も、ともに可能性が広がるというのに

 知事や市長が「地方創生の旗手」を標榜(ひょうぼう)するのなら、ここが見せどころである。掛け声だけではない県市協調を、具体的な形で表してもらいたい。構想から四半世紀の大団円を、今こそ目にしたいものだ。