阿南工業高校(阿南市)の機械科と電気科の3年生11人が、放置竹林対策として、竹製の防災懐中電灯「ぽてっとライト」を製作した。震度5強以上の揺れが起きたり、本体が倒れたりすると、自動的に点灯する仕組みで、地震で停電した際に役立ててもらう。6日には、災害時にライフラインが途絶えやすい同市の離島・伊島を生徒が訪れ、島内の全約75世帯に無料で配る。
本体は全長約22センチで、同市橘町の放置竹林の竹を活用した。ライトはLEDを採用しており、30~40時間の連続点灯が可能。電子基盤には、振動や傾きを感知するセンサーを取り付けており、地震が起きると自動的にスイッチが入る。竹は水分を含んでいるため、カビなどで劣化しないように表面をバーナーで焦がし、水性ニスを塗って仕上げた。
同高は2015年度から県教委の「スーパーオンリーワンハイスクール」に選ばれ、竹林の伐採や放置竹林の対策に取り組んできた。15年7月、当時の3年生が防災懐中電灯を考案して「ぽてっとライト」と命名。アイデアを引き継いだ新3年生が今年6月から10月にかけて、伊島に配る分を作ってきた。
竹の加工を担当した機械科3年の小池唯斗さん(17)は「人々のライフラインを守りたいとの思いで作ってきた。ライトが普及することで、放置竹林を減らすことができればうれしい」と話している。
伊島の住民以外にも、市内の病院や老人ホームなどに無料で配布する予定。1月6日までが募集期間となっている「高校生技術・アイディアコンテスト全国大会」(全国工業高校学校長協会主催)にも応募する考えで、入賞を目指す。