2日午後4時54分ごろ、和歌山県と徳島県那賀町で震度4の地震があった。気象庁によると、震源地は紀伊水道で、震源の深さは約50キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・4と推定される。地震による津波の心配はない。

 徳島県は午後4時58分、地震対策連絡本部を設置。市町村や各消防への情報収集に当たったが、被害は確認されていない。連絡本部は同8時10分、解散した。

 徳島県内の震度は次の通り。

 震度4=那賀和食▽震度3=徳島▽震度2=神山▽震度1=吉野川美郷

 徳大教授 「南海トラフと関連性は低い」余震への注意呼び掛け

 紀伊水道で2日に発生し、那賀町などで震度4を観測した地震は、海洋プレートの内部で発生した地震とみられる。海溝型地震に詳しい徳島大大学院の馬場俊孝教授(津波防災学)は「海洋プレートと大陸プレートの境界で起こる南海トラフ巨大地震との関連性は低い」としているが、今後同規模の余震が発生する可能性はあり、強い揺れへの注意を呼び掛けている。

 馬場教授によると、今回の地震は震源やその深さなどからフィリピン海プレートが沈み込む際にプレート内部にひずみがたまり、ひずみが解放されたことで起きたとみられる。

 フィリピン海プレートは、四国が乗る大陸プレートに南東方向から1年間に数センチ程度、潜り込んでいる。南海トラフ巨大地震は、海洋プレートと大陸プレートの境界で起こり、陸側のプレートがはね上がって大きな揺れや津波をもたらす。

 馬場教授は「今回の地震は発生のメカニズムが異なるため、南海トラフ巨大地震との関連性は低い。ただ、巨大地震がいつ来てもおかしくないので、備えを怠らないでほしい」と話す。