徳島県鳴門市鳴門町の大塚国際美術館が、ゴッホ(1853~1890年)唯一の全身自画像で第2次大戦時に行方不明になった「タラスコンへの道を行く画家」を原寸大の陶板画で再現した=写真。3日から常設展示する。
原画は縦48センチ、横41・8センチの油絵。ゴッホがパリから南仏アルルに移り住んだ1888年、小高い丘に建つ修道院を目指してタラスコン街道を歩く自らの姿を描いたとされる。
絵は旧東ドイツのカイザー・フリードリッヒ美術館(現マグデブルク文化歴史博物館)が所蔵していた。1943年に戦火を避けるため地下460メートルの岩塩坑(こう)に運ばれて以降、行方が分からなくなった。岩塩坑は封鎖され、探索できなくなっている。
英国のゴッホ研究者が、大塚国際美術館にあるゴッホの「ヒマワリ」の陶板画を見て再現を提案した。
大塚国際美術館が消えた名画を再現するのは2014年に空襲で焼失した「ヒマワリ」を再現して以来、2例目。