自動車の免許に「準中型」を新設し、運転できる車種を細分化する来年3月12日の改正道交法の施行を前に、徳島県内の各自動車学校が免許の新規取得者で混雑する恐れが出ている。改正前に現行の普通免許を取得しておけば、「準中型」の対象となる車の一部を運転できるためだ。県内15校でつくる県指定自動車教習所協会(松茂町)は、早めの入校を呼び掛けている。
現行の普通免許は車両総重量5トン未満の車を運転できるが、道交法改正後に取得すると3・5トン未満の車しか運転できなくなる。このため、改正前に自動車学校に通う人が増える可能性がある。
改正前の来年3月11日までに普通免許を取得しておくと、改正後は自動的に「5トン限定準中型免許」とみなされ、運転できる車の範囲が既得権として維持される。さらに、教習4時限と審査を受ければ「5トン限定」が外れて、現行の普通免許では運転できない5トン以上7・5トン未満の車の運転も可能になる。
1~3月は自動車学校に通う高校3年生が増える時期でもあり、教習所協会は各学校が例年以上に混雑するとみる。就職、進学前に免許が必要な高校3年生が教習の予約が取れず、免許取得が間に合わなくなることを懸念している。
教習所協会は今年8月、県教委に「高校生が例年より早い時期から自動車学校に通えるように配慮してほしい」と依頼した。このほか、各自動車学校が地域の高校に働き掛けたり、県警運転免許課がパンフレットで制度変更の周知を図ったりしている。
教習所協会の井谷和夫専務理事は「自動車学校が混雑し免許取得に時間がかかることが予測されるので、来春から免許が必要な人はできるだけ早めに通い始めてほしい」と話している。