ソバを収穫する「三好素人農事研究會」のメンバー=東みよし町足代

 東みよし町の住民有志が町北部(旧三好町)の遊休農地を活用し、ソバやタカキビといった雑穀栽培を中心に、地域の零細農業継承に取り組んでいる。昔ながらの農村の風景を守る一方、生産農家の減少で途絶える恐れのある在来品種を維持していくのが狙いだ。

 活動に加わるのは、農業を本業としていない県西部在住の定年退職者や公務員、会社員ら約30人。「採算が合わなければ栽培をやめざるを得ない農家ではなく、有志の素人が栽培してもいいのでは」との思いから「三好素人農事研究會」と名乗っている。

 町内の農家が数年前まで耕作していた土地を借りて、2015年8月にソバを育て始めた。今年は5カ所、計約3千平方メートルでソバとタカキビを栽培。10月末には12人でソバを刈り取り、収穫した穂を束ねて天日干しする「はぜ掛け」の作業を行った。

 耕作放棄地が増えると、周囲の畑に雑草の種が飛散しやすくなり、栽培している穀物や野菜の成育を邪魔する場合もあるため、こうした土地を減らすことも目的にしている。

 阿讃山地の山裾に位置する旧三好町は山間地が多く、古くからソバやタカキビなどの雑穀栽培が盛んだった。タカキビは県内屈指の産地で、1990年代には年間10トンを生産していたが、2000年代には約5トンに半減。食習慣の変化や過疎高齢化の影響で生産農家も減少しつつあるため、元町職員で地域農業に詳しい島尾明良さん(62)=昼間=が、有志を募って栽培を提案した。

 来春からは、藍の栽培も始める予定。料理や染料の材料としての販売も視野に入れ、NPO法人化も目指す。島尾さんは「大規模農業が主流となっている中、対極にある地域の小規模農業を守る一助になれば」と意気込んでいる。