職員や飼料搬入業者の車の出入り口に消石灰を散布する職員=徳島市のとくしま動物園

 新潟県や兵庫県など各地で鳥インフルエンザが確認されていることを受け、徳島市のとくしま動物園は5日までに、鳥類57羽が飛び交うドーム型展示施設への来園者の立ち入りを禁じるなど、鳥への感染を防ぐための対策を始めた。来園者や野鳥から高病原性ウイルスが持ち込まれないよう、非常時マニュアルの運用を早めて対応している。専門家は「日本中どこで発生しても不思議ではない。鳥への対策は人への感染を防ぐことにつながる」と指摘している。

 30種123羽の鳥を飼育している同園は、3日から園の出入り口2カ所に消毒液を染み込ませたマットを敷き、ドーム型の野外施設・フライングケージへの立ち入りを禁止にした。屋外や水槽に展示していたフラミンゴやペンギンなど58羽は室内に収容し、ペンギンの餌やりなどのイベントも中止にした。

 隔離する場所が確保できないなどの理由で、屋外のおりにいるコンドルやオウムなど8羽は展示を続けている。フライングケージやおりは、野鳥のふんが落ちてきたりする恐れがあるため、開園前に効果のある薬剤で消毒している。

 園の対応マニュアルでは、県内でウイルスが検出された段階でフライングケージを立ち入り禁止にすることにしている。しかし、秋田市の大森山動物園で死んだコクチョウから11月28日に高病原性ウイルスが検出されたことや、兵庫県小野市で野鳥のふんから12月1日に同ウイルスが確認されるなどしたため、対応を早めた。

 園が鳥の展示を中止したのは那賀町でフクロウの死骸から高病原性ウイルスが検出された2011年以来2回目。中西克之次長は「発生すれば希少な鳥も殺処分しなければいけない。終息するまで続けたい」と警戒感を強めている。

 北海道大大学院獣医学研究科の迫田義博教授(ウイルス学)は「今年は発症のペースが圧倒的に早く、ウイルスが検出されていなくても対策を怠ってはいけない」と強調する。中国では鳥からヒトへの感染例も報告されており、「動物園も対策を強化することが必要で、鳥への対策を講じることが、間接的に人への感染を防ぐことにつながる」と話している。