男子決勝・海部対城南 ドリブルで積極的に仕掛ける海部の多田翼(右)=サンフラワードーム北島

 バスケットボールの第71回全国高校選手権徳島県予選最終日は3日、サンフラワードーム北島で男女の決勝が行われ、男子は海部が61-42で城南を下して10年ぶり3度目の優勝を飾った。女子は富岡東が96-71で城南を破り、2年ぶり16度目の栄冠を手にした。海部と富岡東は全国大会(12月23~29日・東京都調布市)に出場する。

女子決勝・富岡東対城南 第3クオーター、富岡東の小林(右)がシュートを決め68―49とする

 積極的攻撃で優位に 海部

 今年の新人戦、県総体を制した海部男子が「王者」の貫禄を見せた。内外の使い分けと個々の局面での積極的な仕掛け。海部らしい個の力を十分発揮しての勝利に、エースの3年多田翼は「勝ち切れてよかった」と相好を崩した。

 

 要所で内側を突く攻めが効いた。インサイドの岡澤がカットインやジャンプシュートを次々決めてチーム最多の23得点。「意識していた」というリバウンドでもしっかり優位に立ち、攻撃回数を増やした。

 1週間前の準決勝はロングシュートが目立ったが、この日の3点シュートは多田と宮崎の2本だけ。外側を警戒させつつ、どんどん切り込んで城南を揺さぶった。

 夏に挑んだ全国総体では「勝てる可能性もあった」という多田。だが、簡単なミスや競り合いの差で悔しい初戦負けを喫した。全国での1勝を目標に、夏以降は1対1の強さやプレーの確実性を磨いてきた。

 「リバウンドを取り切れなかった点など課題もある。出場までに克服したい」と意欲を新たにする多田。岡澤も「練習を積んで一つと言わず勝ち上がっていきたい」と12月の本番が待ち遠しい様子だった。

 豊富な運動量で奪還 富岡東

 豊富な運動量で最後まで走り抜いた富岡東女子が2年ぶりの頂点に返り咲いた。この1年間、主要大会で一度も手が届かなかったタイトルを獲得し、田中主将は「ずっと悔しい思いをしてきた。ようやく優勝できてうれしい」と喜びに浸った。

 コートを広く使い、ダイナミックに動いた。特に守りではコートの半分を固める普段のシステムを変更。コート全面で守り、ガードの田中らが最前線から激しくプレッシャーをかけ続けた。結果、後半は疲れが見え始めた相手からボールを奪ってのカウンターが面白いように決まった。

 終盤までバテずに動き続けられる体力は、走り込みのたまもの。普段からコートを何往復もダッシュする練習を繰り返してきた。チーム最多の28得点を挙げた小林は「攻撃でも守りでもしっかり走るのが富岡東の持ち味」と胸を張った。

 県総体決勝で敗れた城南にリベンジしてつかんだ全国切符。目指すは初戦突破だ。田中主将は「自分たちは高さがない分、リバウンドは全員で取りに行くくらいの強い気持ちで挑む」と決意をにじませた。