準決勝・小松島対徳島北 前半32分、徳島北の前田(左)が先制のシュートを決める=徳島市球技場

 サッカーの第97回全国高校選手権徳島大会第5日は3日、徳島市球技場で準決勝2試合が行われた。第1試合は徳島市立が4-0で鳴門に、第2試合は徳島北が3-0で小松島にいずれも完封勝ちし、決勝に駒を進めた。決勝は10日午後2時5分から徳島市球技場で行われ、優勝チームが全国高校選手権(12月30日開幕)に出場する。

 4発零封 攻守隙なし 徳島市立

 

 前半1分。徳島市立のFW岡田がMF平尾からの右クロスにうまく頭で反応した。「調子は良かったので決める自信はあった」。チームを勢いづける電光石火の先制パンチを振り返った。

 岡田は後半にも2点を奪い、2回戦の5得点に続く今大会2度目のハットトリック。「前のめりの相手に対し、裏への動き出しが狙い通りにできた」と胸を張った。

 前半終了間際には9月に右足の肉離れで戦線離脱していたFW岡が復帰戦となったこの試合でゴールを奪うなど、得点力の高さを見せつけた。岡は「全国でも通用する攻撃ができている」と攻撃陣の状態の良さをアピールする。

 守っても無失点と攻守に隙なく決勝へと駒を進めた。それでも関主将は「パスの送り手と受け手の意思疎通がまだ完全ではない」と課題を口にし、2年ぶりの王座奪還へ「チャレンジャーの気持ちを忘れず、悔いなくやり切れば結果は付いてくる」と静かに闘志を燃やした。 

 守りから流れつかむ 徳島北

 徳島北は手堅い守備から攻撃のリズムをつくった。DF渡辺陸は「完封を意識して臨んだ。いい流れから前半で点を取ってくれたのが良かった」と笑顔を見せた。

 立ち上がりは小松島のロングボールに攻め込まれる場面もあったが、体を張ってシュートを防いでボールを奪い、前線にパスを供給。サイドを変えながら相手を走らせて体力を奪った。

 その狙い通り、戻りが遅くなった敵陣にスペースが生まれた。前半32分、中央でMF前田が裏に走り込むと、DF久米川からの縦パスを胸で受けて先制ゴール。「いい球だったので落ち着いて決めることができた」と喜んだ。

 2年生の一撃で攻撃が活性化。後半は相手にシュートを打たせず、逆に13本のシュートを放ち2点を加えた。2得点の小林主将は「個人技だけでなく力強い攻撃ができた」と手応え十分の様子。徳島市立との頂上決戦に向け「攻守一体となって県総体で敗れたリベンジを果たす」と2連覇へ表情を引き締めた。

 

 

 

 

■ 写 真 特 集