高校野球の第71回秋季四国地区大会第3日は3日、高松市のレクザムスタジアムで準決勝2試合が行われ、徳島県勢で唯一4強入りした県3位の富岡西は3-5で松山聖陵(愛媛県3位)に敗れ、県勢5年ぶりの決勝進出はならなかった。富岡西は六回に3点差を追い付いたが、終盤に2点を奪われ突き放された。

 もう1試合は高松商(香川県1位)が集中打で大量点を奪い、高知商(高知県1位)に10-4で快勝した。最終日の4日は、同スタジアムで午前10時から松山聖陵-高松商の決勝が行われる。

富岡西対松山聖陵6回、富岡西2死三塁、前川の二塁内野安打で同点とする=高松市のレクザムスタジアム

 堅守粘りらしさ発揮

 富岡西はスタンドの大声援を背に、甲子園出場経験のある松山聖陵に最後の最後まで食い下がった。来春の選抜大会出場を確実にする決勝進出はならなかったが、守りからリズムをつくる富岡西らしさを随所に発揮し、好印象を与える試合内容だった。

 一回に3点を先行される苦しい展開にも堅守でエース浮橋を支え、試合をつくった。三回には右翼線際への浅い飛球を主将の坂本がダイビングキャッチ。二、五回は浮橋が四球で走者を許したものの、内野陣が鮮やかな併殺を決めて追加点を許さなかった。

 粘り強い守りが六回の攻撃につながった。坂本が中前打、浮橋が追い込まれながらも四球を選んだ。続く吉田は「次に回して1点ずつ返していけば大量点になる」とバットを振り抜き、右前打で反撃ののろしを上げた。内野ゴロの間に1点差に詰め寄ると「つないでくれた勢いに乗れた」と言う7番前川の二塁内野安打で追い付いた。

 富岡西打線は長打攻勢のような派手さはない。だが、打者は打ち上げないことを常に心掛け、相手投手の低めの球をしっかり見極める。塁に出ればいかに次の塁を狙うかを考える。六回の攻撃では吉田が「三塁に進めば相手も守りにくくなる」と自らの判断で三盗を決め、その後同点のホームを踏んだ。

 1900年創部と、長い歴史を持つ富岡西の秋の挑戦は終わった。「まだ思うような野球はできていない。走攻守全てをレベルアップさせる」と坂本主将。四国の強豪と互角に渡り合った手応えと、戦いで得た課題を成長の糧に前進する。

力投する富岡西のエース浮橋

 終盤の失投悔いる 富岡西エース

 富岡西のエース浮橋は終盤の失投を悔やんだ。味方が同点に追い付いた直後の七回、先頭打者を簡単に打ち取ったものの、次打者に左越え本塁打を許した。「カウントを取りにいったスライダーが甘く入ってしまった」と痛恨の一球に肩を落とした。

 一回に3安打で3点を先行され、苦しい立ち上がりとなった。二回以降は1安打に抑えていただけに「苦しい場面で我慢できるようにならなければ」と反省する。

 旧チームでもエースを務めたが、先輩投手に頼る場面があった。新チームになってからは県大会を1人で投げ抜き、制球に苦しんだ四国地区大会も大崩れはしなかった。秋の躍進を支え、一回り大きくなった今大会。打線の援護に感謝しながら「点を取られず、勝てる投手になる」と成長を誓った。

 選抜出場の可能性残る

 秋季四国地区大会は準決勝を終え、決勝に進んだ松山聖陵(愛媛県3位)と高松商(香川県1位)の選抜大会出場がほぼ確実になった。ただ、準決勝敗退の富岡西にも甲子園初出場の可能性は残されている。一般選考の中国・四国地区の出場枠は5。近年の四国からの出場校≪別表≫を見ると記念大会だった今春は3枠が確定していたが、それ以外は2枠か3枠で決まっていない。2枠の場合は決勝進出校の出場が濃厚。

 3枠になれば決勝進出の2校のほかに1校が選ばれる。4強のほか、8強入りしたチームが候補となる。また一般選考以外に21世紀枠(全国3校)での出場もある。

 富岡西は県3位ながら甲子園出場経験のある高知(高知県2位)、帝京第五(愛媛県1位)の両私学を連破した。21世紀枠の趣旨からも、1900年創部と歴史があり、文武両道を目指す富岡西は有力候補の1校に挙がりそうだ。