牟岐、海陽両町の冬の風物詩、ウツボの天日干しが各漁港で始まっている。竹ざおにつるされた背開きのウツボが寒風に揺れ、冬の日差しに照らされている。漁がピークを過ぎる来年2月末ごろまで見られる。
12月1日のウツボ漁解禁後、牟岐町牟岐浦の牟岐漁港には連日、体長約1メートル、重さ2~2・5キロほどのウツボが水揚げされている。15人ほどの漁師が同町沖合の出羽島や牟岐大島周辺の漁場に、イカやタコを入れた筒を仕掛け、夜間に餌を追って筒に入ったウツボを翌朝、引き揚げる。
漁港で頭や内蔵を取り除いて背開きにした後、竹串を使って身を広げ、全体に陽光が当たるようにしている。寒風の下、一昼夜乾燥させることで身が引き締まって歯ごたえがよくなり、うま味も凝縮されるという。県内や京阪神に1キロ約2千円で出荷され、食通に珍味として重宝される。
牟岐東漁協の木村的(ひとし)さん(62)=同町灘=は「干したウツボは軽くあぶり、しょうゆを付けて食べる方法がお勧め。ビールにもよく合う」と話した。