徳大の岡講師らが稚アワビの餌として活用を研究しているミリンソウ=鳴門市の水圏教育研究センター

 徳島大生物資源産業学部と県水産研究課が、国内では沖縄県で育成されている海藻・ミリンソウを餌にした稚アワビ養殖の研究開発に取り組んでいる。稚アワビ養殖では、餌となる海藻が少なくなる夏場をどうしのぐかが課題。ミリンソウは夏でも成長が良く、採取しても自然に生えてくるため最適な餌となる可能性がある。

 徳島大と県などが共同研究に当たる「マリンサイエンスゾーン」の水圏教育研究センター(鳴門市)と県水産振興公害対策基金加島事業場(海陽町)を拠点に、生物資源産業学部の岡直宏講師の主導で今夏から、本格的に研究している。

 岡講師によると、夏場は海藻の入手が難しいため稚アワビに人工餌を与えることが多い。しかし、高価な上、残った餌によって水質が悪化し、病死するケースもある。岡講師はこうした課題解決のため、かつて沖縄県の民間企業で勤務していた際に夏でもよく見たミリンソウの活用を思いついた。

 これまでの試験で、水槽で育成したミリンソウが水温25度を超えた7~9月、週当たり最大で5倍程度に成長することを確認。養殖中の稚アワビに与えたところ、食いつきも良かった。今後、従来の人工餌と比べ、稚アワビの成長やアワビの味に違いが出るか確かめる。

 実用化に際しては、稚アワビの養殖施設の横でミリンソウを育てながら、先端部分をちぎって稚アワビに毎日与えることを想定している。ミリンソウはちぎっても自然に生えてくるため繰り返し使え、手間とコストの低減が期待できる。

 岡講師は「夏から秋はミリンソウ、冬から春にワカメを使えば、1年を通して海藻だけを与える稚アワビの養殖が可能となる。コスト削減や病死リスクの低減のほか、品質向上も期待できる」と話している。