徳島県内の公立小中高校と特別支援学校で2017年度に把握されたいじめは、前年度より約15%、303件増えて2288件となり、現在の集計方法となった06年度以降で最も多かった。

 全国では9万件増えて41万件を超えた。いじめに歯止めがかからない深刻な状況が続いており、根絶への道のりは遠いと言わざるを得ない。

 いじめの実態把握を巡っては11年に起きた大津市の中2男子自殺を機に、軽微なものでも被害者が心身の苦痛を感じれば、いじめとして報告されるようになった。

 さらに文部科学省が17年3月にいじめ防止対策基本方針を改定し、「けんかやふざけ合い」をいじめに含めるようにした。これらが大幅増の要因となっている。

 学校現場の危機意識が高まり、小さな芽の段階から早期発見に努めている実態がうかがえる。

 肝心なのは、把握したいじめをどのように解決していくかである。

 県教委は今年3月末時点で、把握したうちの9割近くは解決したとしている。形を変えて再発していないか、根の深いいじめが残されていないかなど、1件ずつ丁寧にフォローしてほしい。

 最近はパソコンや携帯電話を介したいじめが増えているのが大きな特徴だ。県内でも近年急増し、17年度は100件に達した。全体に占める割合は5%未満だが、いじめの手口が巧妙化していて氷山の一角という見方もある。

 スマートフォンや会員制交流サイトの普及で大人の知らない世界が広がっており、いじめが潜在化したり、エスカレートしたりする危険性は増していると言えよう。

 認知件数が増えれば対応が手薄になる恐れも強まる。多忙な教員が、いじめの把握や解決にどれだけ時間を割くことができるのか懸念される。

 特定の教員が抱え込まないために日頃から校内で十分に情報共有し、各校に設けられているいじめ対策組織がうまく機能しているか点検することが重要となる。教員を増やすなど過重労働を改善していく視点も欠かせない。

 そして何より、教員一人一人がいじめ解決への問題意識を高めるべきである。子どもの痛みに真剣に向き合い、「声なき声」にしっかり耳を澄ませてもらいたい。

 会話が減って表情が変化していないか、言葉遣いが荒くなっていないか。子どもが発するSOSや変化の兆しを見逃さないようにしたい。

 13年に施行されたいじめ防止対策推進法の対象は、学校や国・自治体にとどまらない。保護者についても、自らの子どもがいじめを行わないよう指導する責務があると定めている。解決を学校だけに頼るわけにはいかない。

 全国ではいじめによる自殺が後を絶たない。学校や教育委員会が家庭・地域と信頼関係を築き、社会全体で子どもを見守る覚悟が必要だ。