大石内蔵助のいとま乞い状に見入る来場者=徳島市の徳島城博物館

 「忠臣蔵」で知られる赤穂事件や、赤穂浪士と徳島藩の関係を紹介する企画展「討ち入りとその周辺 赤穂義士と徳島藩」が3日、徳島市の徳島城博物館で始まった。赤穂藩の家老大石内蔵助(くらのすけ)が、事件前日に徳島藩の親戚に宛てた「遺書」が約60年ぶりに公開され、歴史ファンを楽しませた。12月24日まで。

 大石内蔵助が、母のいとこで徳島藩祖蜂須賀家政のひ孫に当たる三尾豁悟(みおかつご)宛てに、あだ討ちを決意した心情をつづって永遠の別れを告げた「いとま乞い状」や、討ち入り前に贈った手かごなど55点を展示。江戸期の浮世絵師歌川広重が討ち入り直前の赤穂浪士の様子を描いた「義士仇討之図(あだうちのず)」なども並んだ。

 忠臣蔵が好きでゆかりの地を回っているという三好市池田町州津の藤本文明さん(79)は「内蔵助と徳島のつながりが分かって参考になった」と話した。

 蜂須賀家家臣の子孫が家系や家の伝統を紹介するシンポジウムもあった。