徳島県内で運転免許証を自主返納する高齢者が11月に入って急増し、月間としては過去最多とみられる230人に上ったことが、県警のまとめで分かった。11月の返納者は今年1~10月の月平均より100人以上多く、年間返納者の数では11月末時点で既に過去最多を更新している。県警は、全国的に高齢ドライバーが起こす重大事故が10~11月に多発したことがきっかけとなり、返納を考える高齢者が増えたのではないかとみている。

 県警運転免許課によると、高齢者の自主返納は1~10月は100~150人の間で推移し、月平均は126・8人だった。11月の230人は、前年同月の127人と比べて2倍近くになっている。

 運転免許証の自主返納制度は1998年に始まった。年間の高齢者の自主返納者がこれまで最も多かったのは2015年の1319人だったが、今年は11月末時点で既に1498人に上り、最多を更新している。

 10~11月は全国的に高齢ドライバーの重大事故が相次いだ。10月28日に横浜市で集団登校中の小学生の列に80代男性の運転する軽トラックが突っ込んで男児(6)が死亡したほか、11月10日には栃木県下野市で80代男性の車が病院に突っ込み、3人が死傷した。同月12日には東京都立川市の病院敷地で80代女性の乗用車が男女2人をはねて死亡させた。

 運転免許課は「重大事故の報道が相次いだことで、免許返納に関する問い合わせも増えている。報道に接した高齢者やその家族が『事故を起こして加害者になる前に』と考え、返納に踏み切ったのではないか」と分析している。

 県内でも高齢ドライバーの事故が増え続ける中で、県警は自主返納の推進が事故防止の有効な手段の一つになるとみている。県警は来年1月8日から運転免許センター(松茂町)に日曜日の返納窓口を開設するほか、バス事業者や一部のタクシー会社に返納者に対する運賃割引を働き掛けるなど、返納しやすい環境づくりを進めている。