県西部の引札80点を紹介する冊子を発刊した三舟さん。9日からは展示会も開く=三好市

 かつて県内で発行された絵入りチラシ「引札(ひきふだ)」収集家の三舟哲治さん(72)=徳島市上八万町=が、県西部の引札約80点を収めた冊子「阿波の引札 第貳集(だいにしゅう)」を発刊した。9~28日には徳島市立木工会館で展示会を開き、冊子に収録した全点を紹介する。出身地の旧三好郡などの往時のにぎわいを知ってもらうのが狙い。

 引札は江戸時代中期から明治、大正、戦前にかけ、商家が歳末や開店時などの売り出しをする際に配った宣伝用の印刷物。商店名と共に福の神や松竹梅といった縁起物、和装美人、舞台役者などが色鮮やかに描かれ、当時の商家の繁栄ぶりを表している。

 「阿波の引札-」は旧三好、美馬、麻植3郡の呉服店や酒店、米穀店、たばこ屋などが発行した約80点を収録。現在も営業中の吉野川市山川町の老舗人形店や和菓子店の引札もある。三舟さんが商店名や発行された時期、どんな商品を宣伝したかなどを現代語訳し、説明を加えた。

 三舟さんは三好市井川町出身。青山学院大の学生時代に引札の美しさに魅了され、県内外の古書店や古美術商を巡るようになった。「阿波の引札研究保存会」の代表も務め、2013年には徳島市内の引札を集めた「阿波の引札 第壱集(だいいちしゅう)」を刊行している。

 三舟さんは「よく買い物に出掛けた池田町や脇町などの引札を紹介するのが、長年の夢だった。一昔前の引札を参考にして、商店街の再生に取り組んでもらえれば」と話している。

 500部作り、希望者には3千円で販売する。問い合わせは原田印刷出版<088(622)2356>。