木戸特任教授

 卵アレルギー発症が乳児期からごく少量のゆで卵の粉末を食べさせ続けることで抑制できたとする研究結果を、徳島大の木戸博特任教授(生化学・分子生物学)や国立成育医療研究センターなどのチームが9日、英医学誌ランセットに発表した。アレルギーの原因になる食品でも摂取の方法次第で発症予防につながる可能性が示された。一方、チームは「家庭での実施は危険。必ず専門医に相談を」としている。

 チームは、生後4カ月までにアトピー性皮膚炎を発症し、食物アレルギーになる可能性が高い乳児121人を対象に調査。60人は生後6カ月からゆで卵の粉末50ミリグラムを毎日食べ、9カ月からは250ミリグラムに増やして1歳まで食べさせた。残りの61人は、生後6カ月から卵の入っていないカボチャ粉末を食べさせた。

 アレルギー診断には木戸特任教授が開発した、抗体の量を数滴ほどの血液で測定できる診断チップを活用。乳児の血液は全国から木戸特任教授の元に送られ、判定された。

 その結果、1歳時で卵の粉末を食べていない子どものうち23人(約38%)が卵アレルギーを発症したのに対し、卵を食べた子どもは5人(約8%)しか発症せず、発症率が約80%下がった。

 これまでは、離乳早期にアレルギーの原因になりやすい食品は食べさせるべきではないと考えられてきた。木戸特任教授は「これまで常識とされてきたこととは全く異なる結果。適切な予防、治療につながるのでは。今後は、発症を予防できる子どもとできない子どもをあらかじめ診断できるように研究を発展させたい」としている。