徳島県内で信号機の老朽化が進んでいる。県警によると、交差点などで赤青黄の点灯をコントロールする「信号制御機」は3月末時点で32・4%が更新時期を過ぎており、全国で4番目の高率。放置すれば、信号が消えたりして重大事故を招く危険性も懸念されるが、更新の予算が十分に確保できず、老朽化のスピードに追い付いていない。
制御機の老朽化は全国的な傾向で、警察庁のまとめ(3月末時点)では、全国の20万5千基のうち4万3千基が更新の目安となる19年を経過しており、老朽化率は約21%。県内の制御機は1565基のうち507基が更新時期を過ぎている。
県内では道路整備が進み、交差点が増えた1990年代に毎年50~70基の制御機が新設された。その後、信号機などを設置する予算が縮減された上、LED信号機への切り替えなどの施策に重点を置いたこともあって、近年、制御機の更新や新設は年30~50基にとどまる。
信号機を支える柱も老朽化している。3月末時点で県内にある計4897本の柱のうち、27・5%の1348本が更新時期の30年を過ぎている。今後、毎年100本ほど増える見通しだ。
県警は毎年、制御機を含む全ての信号機を点検し、異常がなければ利用している。
県内ではこれまでに信号機の老朽化が原因の事故や故障は起きていないが、全国では、信号が消えたり点滅を続けたりするなど、制御機のトラブルが2014年度に314件起きた。兵庫県では12年9月、神戸市内の国道交差点で信号の柱が突然折れ、路上に停車中の乗用車に接触する事故があった。柱は設置から45年がたっていたが、修理されないままだった。
警察庁は20年度までに老朽化した信号機約4万3千基の更新を目標に掲げており、都道府県警に計画の策定や予算の確保を指示した。徳島県警交通規制課は「緊急性などを見極めて更新を進めるとともに保守点検をしっかりと行い、不具合は起こさないようにしたい」としている。