吉田准教授らが試作した環境センサー=阿南市の阿南高専

 阿南高専と県立農林水産総合技術支援センターが、温度や湿度など農業用ハウス内の環境をセンサーで測定し、データ化して農作物の栽培に役立てるシステムの開発に取り組んでいる。グラフにした測定データをタブレット端末やパソコンで確認することで、換気や収穫といった農作業のタイミングが分かるようにする。経験の浅い新規就農者の支援や生産性向上が狙い。

 阿南高専創造技術工学科の吉田晋准教授が温度や湿度、日射量、土壌湿度を測定する環境センサーを他県の高専と共同で試作。これを2015年度に藍住町のニンジン栽培用ハウス内に設置し、実証実験を始めた。16年度は石井町の県立農林水産総合技術支援センターの試験ほ場にも置いている。

 構築を進めているシステムは、生産者がタブレット端末を持ち、環境センサーのあるハウス内を巡回。環境センサーに蓄積された測定データを無線通信でタブレット端末に取り込む。データはグラフ化され、タブレットや自宅のパソコンで確認できる。

 一方、県立農林水産総合技術支援センターはニンジンの栽培に関し、測定データを基に換気時期の把握や収穫時期の予測ができるようにする栽培マニュアルの作成を進めている。将来的に農家に配り、システムの有効活用を図る。

 環境センサーは大手の電機メーカーなどが既に開発しているが、価格が20万~50万円と高価なのが実情。阿南高専は、1万5千円程度のローコスト化を目指している。

 吉田准教授は「農業が勘や経験に頼らなくても済むようにし、担い手確保や産地強化につなげたい」と話している。