シンガポールへの輸送試験に向け、箱詰めされるなると金時=石井町の県農林水産総合技術支援センター

 徳島県農林水産総合技術支援センターは、なると金時をシンガポールへ船便で送る試験を行う。適温に保つことのできるコンテナを使うことで、輸送が長期に及ぶ船便でも品質を維持できることを確認し、民間企業などに提案。徳島を代表する農産物の輸出促進につなげる。

 なると金時1175キロを用意し、内部を一定温度に保つ設備を持つリーファコンテナに入れて貨物船に積み込む。小松島市の徳島小松島港を21日に出港し、来年1月6日にシンガポール港に入港する予定。

 なると金時は、蒸れを防ぐ特殊フィルムで包装し、コンテナ内はサツマイモを輸送する際の適温とされる13度に設定する。現地の倉庫でも適温を保ったまま2カ月程度の貯蔵試験を行う。

 試験期間中、県の職員が数回、空路で現地に赴き、品質を確かめて結果を検証。輸送から販売までの一定期間、品質を保てる「流通・輸送システム」の構築を目指す。

 センターと県もうかるブランド推進課によると、なると金時は船便での東南アジアへの輸出が増えており、2015年度に初めて100トンを超えた。ただ、他の野菜と一緒にコンテナに入れ、適温より低い温度で輸送するため低温障害を起こすケースもある。被害が大きいときは半分以上が売り物にならないという。

 担当する兼田朋子研究員は「なると金時だけを一定量確保し、適温輸送するメリットを企業などに伝えられれば」と話している。