都内への販路開拓が進む阿波晩茶の茶葉=那賀町の井川発酵

 阿波晩茶の加工販売を手掛けていた「いろどり晩茶生産組合」(上勝町)が4月に、新会社「井川発酵」(那賀町)として再出発し、県内外で販路を広げている。都内では高級和食料理店の定番飲料に採用され、「知名度とブランド力を高めるきっかけになる」と期待を寄せている。

 井川発酵は10月から、都内の汐留や丸の内に店舗展開する和食レストラン「えん」に、ペットボトル入りの阿波晩茶を出荷するようになった。各店舗では阿波晩茶のソフトドリンクと焼酎割りが固定メニューとなっている。新鮮味や個性的な味わいから、顧客の評判は上々という。

 11月からは、新宿高島屋にある発酵食品のカフェテリアにティーバッグを卸している。

 発酵によって生み出される阿波晩茶の健康効果が15年にテレビ番組で紹介されたのがきっけになった。首都圏では若い女性を中心に美容と健康へのニーズが高まっており、これをてこに一層の販路開拓を目指している。

 県内では夏から、スーパーのキョーエイ(徳島市)が全店舗で扱うようになった。

 16年度の生産目標は、茶葉換算で生産組合だった15年度の5倍の3トン。売り上げは3倍を見込む。

 いろどり晩茶生産組合では、生産者の高齢化から茶葉の調達が先細ることが予想されていた。そうした中、テレビ放映後に注文が相次いだことから、生産能力を増強するため那賀町に新会社を設立し、自社工場も構えた。従業員4人を地元雇用し、伝統的な製法で茶葉を生産している。

 井川発酵の井川圭太郎社長は「健康志向の高い都会人のライフスタイルに阿波晩茶を落とし込み、ウーロン茶のように浸透させたい」と話している。