津波の被害状況など刻んだ石碑を見学する徳島文理大生ら=海陽町浅川

 21日で昭和南海地震の発生から70年になる。南海トラフ巨大地震の発生が迫る中、各地では災害に備えた勉強会や訓練が繰り広げられている。「命、地域を守る」。過去の地震の教訓を胸に、災害に強いまちづくりへの取り組みが続く。

◎小松島中田西自主防青年部が発足

 小松島市中田町の30、40代の住民有志が、地域の防災意識を高めようと、地元の中田西自主防災会に啓発活動を担う青年部を設けた。第1弾として、家の掃除に水を吹き出す訓練用の水消火器を活用することを企画。青年部員が希望者宅を訪ね、使い方を指導する。

 青年部は不動産業の澤内健司さん(44)ら9人。中田西自主防災会は約10年前に発足したが、住民の高齢化や共働き世帯の増加で近年目立った活動はなく、自主防災会の存在すら知らない住民が多いことに危機感を抱いた澤内さんが、知人に声を掛けて立ち上げた。

 若手による新しい発想で、従来にない啓発活動を展開するのが目的。手始めに「水消火器で窓もきれいに」と銘打ち、水消火器を使って掃除をする活動を行う。部員が、市消防本部から借りた水消火器を持って希望者宅に出向き、使用方法を説明。家族で実際に窓や車に放水し、操作に習熟してもらう。

 このほか、自動体外式除細動器(AED)の使い方講習会の実施、火の用心の呼び掛けなどを検討している。

 澤内部長は「南海トラフ巨大地震はいつ来るか分からない。住民みんなで楽しみながら防災に関する知識を深め、いざというときに備えたい」と話した。

◎海陽で文理大生ら追悼石碑を見学

 教員を目指している徳島文理大の学生28人が17日、海陽町を訪れ、過去の南海地震による被害状況などを刻んだ石碑を見学した。

 昭和南海地震で85人が犠牲になった浅川地区を、住民でつくる総合型地域スポーツクラブ「海陽愛あいクラブ」のメンバーの案内で散策。昭和南海地震や安政南海地震(1854年)で、地区を襲った津波の浸水高や犠牲者を追悼する石碑8カ所を巡った。

 宍喰地区では、津波避難場所となっている愛宕山(あたごやま)(標高23メートル)に登り、過去4回の震災記録をまとめた古文書「震潮記」について住民から話を聞いた。

 海南、海部、宍喰各小学校の児童と、海部高校の生徒計40人も参加した。

 養護教諭を目指す人間生活学部心理学科2年の播磨愛実さん(21)=高知県南国市出身=は「教員は防災について教える立場になる。これからも関心を持って学びたい」と話した。