耐震シェルターの設置工事をしている民家を見学するバスツアーの参加者ら=鳴門市

 徳島県内の木造住宅の耐震改修件数が本年度、11月末時点で146件と昨年度1年間の90件を上回り、大幅に増加している。熊本県や鳥取県で大規模地震が相次いだ上、補助金の支払い手続きが簡素化されたことが要因とみられる。耐震シェルター設置を支援する新事業の利用も好調で、県はさらに耐震改修を進めてもらおうと改修現場を見学するバスツアーを開くなど、啓発に力を入れている。

 県住宅課によると、多くの木造住宅が倒壊した4月の熊本地震の直後から、耐震化に関する県民からの問い合わせが急増。国の助成を受けて補助金を一時的に増額して過去最多だった2010年度の165件に迫るペースとなっている。

 市町村別では徳島市が60件と最も多く、33件だった前年同期からほぼ倍増。次いで吉野川市21件(前年同期20件)、阿南市12件(6件)と続いている。一方、県南部や県西部などの10町村ではゼロだった。

 耐震改修の前提となる耐震診断は1095件で、前年同期850件の1・2倍。県が本年度新たに設けた、1部屋だけを補強する耐震シェルターの設置を支援する制度の利用も34件あった。

 耐震改修の手続き面では、これまで改修を済ませた施主に対して出していた補助金を施工業者に直接支払う「委任払い制度」を導入。施主の立て替え払いを不要にし、利便性を高めた。

 県は県民のこうした防災意識の高まりを受け、一層の耐震改修を促す考え。耐震シェルターを設置した家屋や耐震改修の現場を見学するバスツアーを企画するなどして啓発に力を入れる。

 県内の木造住宅の耐震化率は13年度時点で77%。県は20年度末までに100%を目指している。