復興への思いを込めた演歌で歌手デビューした大川さん(右)と作詞作曲した駒さん=徳島市内

 徳島市南昭和町4の介護事業会社経営大川一則さん(56)が、東日本大震災による津波で家族を亡くした漁師の心情を歌った演歌でデビューした。親交のある岩手県釜石市出身の三味線奏者・駒幸夫さん(62)=ニューヨーク市=が作詞作曲した曲を聴いて感動し「歌わせてほしい」と頼んだ。印税は全て被災地に寄付するという。

 曲のタイトルは「親父の漁場」。「俺を育てた 戻らぬ親父」「明日に向かって 慣れぬ舵取る この海に」「櫓を持つ手は 漁師譲りの この腕で」などと、津波の犠牲となった漁師の父親の後を継いだ息子の気持ちを表現している。3番まであり、それぞれに岩手県宮古、釜石両市と宮城県気仙沼市の地名が入る。

 被災地支援に取り組む駒さんがCD化しようと作ったが、曲を聴き感銘を受けた大川さんが「被災地の高齢者らを元気づけたい」と、自分が歌うことを願い出た。6~8月に駒さんから集中的に歌のレッスンを受けて歌唱力を磨き、日本クラウン(東京)から「大川かずのり」としてデビューすることが決まった。

 駒さんは「大川さんの意気込みが伝わってきた。三陸の漁業復興はまだまだこれからなので徳島の皆さんにもCDを聴いて応援してほしい」と話している。

 CDは全国発売され、税込み1300円。県内ではフクタレコード(徳島市)などで販売されている。