自動ブレーキなどの安全装備を搭載した車が珍しくなくなった。いずれは機械任せで、目的地まで運んでくれるようになるのだろう。それまでは多少厄介に感じても、交通ルールをしっかり守り、安全運転に努めるほかはない

 例えば片側1車線の道路を走っているとする。前方に信号機の設置されていない横断歩道が現れた。人影がある。その時、どうする?

 日本自動車連盟(JAF)が毎年、全国調査をしている。「歩行者がいれば横断歩道を渡るかどうか分からなくても、いったん止まる」。これがルールだが、ドライバーの常識は、所によって著しく差があるようだ

 JAF職員が、実際に横断歩道の手前に立ったところ、長野では2台に1台以上が止まった。一時停止率にして58・6%。もっとも長野は突出しており、全国平均は8・6%。本県は、最低の栃木0・9%よりはいいものの、4・4%にとどまる

 車対歩行者の死亡事故のうち、70%余は歩行者が道路横断中に起きている。信号機のない横断歩道では、車の減速が不十分な事故が多発している

 警察庁も問題視。今月下旬には横断歩道での歩行者優先の周知に絞った、初めての全国一斉広報強化期間を設ける。取り締まりがきつくなるかもしれませんよ、ここだけの話。だからマナー向上を、というわけではないですが。