地震を想定した訓練や、防災意識を啓発する催しが各地で開かれた。

 ■徳島市 遺体の身元 迅速に確認

遺体に見立てた人形を調べる検視官=徳島市の県警察学校

 南海トラフ巨大地震を想定し、県警と医師会、歯科医師会などは県警察学校で、遺体の身元確認を迅速に行うための訓練を行った。

 警察官、医師、自治体職員ら約150人が参加。体育館を遺体安置所に想定し、遺体の搬入から死亡届の発行までの手順を確認した。遺体に見立てた人形を使い、県警の検視官が外傷の有無や内臓の状態を調べて死因を断定。医師が確認し、遺族役に引き合わせて死亡届を渡した。

 歯科医が虫歯や治療痕を調べて身元特定につなげる「デンタルチャート」に取り組んだほか、重症度によって治療の優先順位を決める「トリアージ」の訓練もあった。

 

 ■北島町 非常食展示や放水体験

放水体験で的を狙う子ども=北島町の県立防災センター

 住民の防災意識向上を図る「とくしま防災フェスタ2018」が県立防災センターであり約4千人が訪れた。

 主会場のセンターとサブ会場のフジグラン北島に、県内外の企業など55団体がブースを開設。アレルギーの原因物質27品目を使っていない非常食や、災害時用の仮設トイレなどが展示された。

 放水体験では、防火衣に身を包んだ子どもがノズルを握り、約10メートル先の的を狙った。きらら保育園(松茂町)の池住綾人君(6)は「的に当てられて楽しかった」と話した。

 

 ■牟岐町 防災知識ゲームで学ぶ

毛布を使った簡易担架で人形を運ぶ参加者=牟岐町中村の旧牟岐小

 ゲームを楽しみながら防災の知識を身に付ける催し「イザ!カエルキャラバン!」が、中村の旧牟岐小学校であり、約300人が参加した。

 毛布を活用した簡易担架で約20キロの人形を運んだり、ジャッキでがれきを持ち上げたりするプログラムに挑戦。チラシで食器を作るコーナーや、消火器を使った的当てゲームもあった。

 各プログラムに参加するとポイントがもらえ、子どもたちは縫いぐるみやミニカーなど気に入ったおもちゃと交換。牟岐小3年の加島陽菜さん(9)は「楽しく防災を学べた」と話していた。

 イベントは神戸市のNPO法人が企画し、全国展開している。牟岐町では町社会福祉協議会が2年前から開き、今年で3回目。