JA徳島中央会は6日、徳島市の徳島グランヴィリオホテルで開かれたJAグループ徳島の大会で、昨年頓挫した県内15JAの統合による「1県1JA」を再び目指す方針を示した。各JAが2019年5月までに改めて合併の可否を含めて組織の方向性を示し、中央会を交えて合併の在り方を協議する。
大会では中央会が、農産物の販売や営農指導といった経済事業の低迷、日銀のマイナス金利政策の影響などから経営環境が悪化しているとし、基盤の強いJA構築の必要性を強調。
その上で各JAに対し、単独での経営の維持か、合併などの組織再編か、組織の在り方を検討し、数字的根拠を盛り込んだ次期中期経営計画(19~21年度)を策定するよう求めた。策定期限は、政府が農協改革の集中推進期間とする来年5月までとした。
中期経営計画の策定を通じ、経営環境を見詰め直すことで、統合への理解の浸透を図る考え。大会委員長を務める中央会の中西庄次郎会長は「収益の減少はかつてない厳しさで、これを危機と捉えていないことが最大の危機だ。先送りすることなく、県域統合を目指さなくてはならない。各JAにご理解いただき、前に進みたい」と呼び掛けた。
JA中央会は16年5月、県内1JA化を協議する「新JAグループ徳島研究会」を発足させたが、徳島市、大津松茂、里浦、東とくしまの4JAが相次いで不参加を表明。残る11JAでの広域合併に向けて協議を継続していたが今年2月、19年4月としていた合併期日を延期した。
一方、経営環境が厳しさを増す中、11JA内でも当初の15JA統合を目指して仕切り直した方が良いとの声があり、再協議するとの方針に至った。
全国では、奈良、島根、香川、沖縄の4県が1JAに統合しており、秋田、高知、佐賀などが1JA化を検討している。
大会はJAグループの役員や幹部職員ら約450人が出席。「新たな時代を見据えたJA組織の再編」「自己改革の実践を支える経営基盤の強化と経営健全化」など、5項目の大会決議を満場一致で採択した。