農林水産省が22日に発表した2015年の農業産出額によると、徳島県内の産出額は1037億円で、12年以来3年ぶりに1千億円を回復した。中国四国農政局は「野菜と肉用牛の単価上昇と鶏の生産量増加が主因」と分析している。

 産出額はコメ、野菜など植物関連の耕種が737億円と前年比で52億円増えた。畜産は32億円伸びて300億円となった。

 耕種の主な内訳はコメが8億円増の106億円、野菜が36億円増の384億円。イモ類は8億円増の85億円だった。

 畜産の内訳は鶏が14億円増の145億円、豚が4億円増の40億円、肉用牛は12億円増の73億円。乳用牛は1億円増の41億円でほぼ横ばい。

 品目別の産出額で最も多いのはコメで、ブロイラー93億円、サツマイモ82億円、肉用牛73億円、ニンジン62億円と続いた。

 県内の農業産出額は、農業従事者の減少や高齢化、消費低迷により、1985年の1585億円をピークに減少傾向にある。2013年には984億円と、39年ぶりに1千億円を割り込んだ。14年は米価急落の影響を受けてさらに落ち込み、953億円となった。

 15年は全国の農業総産出額も伸び、5・2%増の8兆7979億円。農水省は「コメ、野菜、畜産などで単価が上昇したのが要因」としている。