おはらいして道中の安全を祈願するお遍路さん=鳴門市大麻町の大麻比古神社

 四国霊場八十八カ所巡りを鳴門市大麻町の1番札所・霊山寺から始める前に、近くの大麻比古神社で道中の安全を祈願するお遍路さんが相次いでいる。パンフレットを通じた神社のPRなどが効果を上げたとみられ、同神社は来春、お遍路さん向けのお守りを新たに販売する。

 大麻比古神社は霊山寺の北約1キロの距離にある。神社によると、これまでお遍路さんはほとんど見掛けることはなかったが、今年に入って年配者や外国人らが早朝などに車や徒歩で訪れる姿が目につき始めた。月平均すると30人前後が訪れているといい、春と秋のお遍路シーズンには団体ツアーも目立っている。

 同神社は、古くから交通安全の神様として知られ、「四国遍路の父」と崇められた高野山真言宗の修行僧・真念法師の著書「四国邊路道指南」(1687年発行)の中に「(霊山寺の)3町北に大麻彦大明神がある。必ずお参りするように」とある。かつては巡礼前に参拝する風習があったとみられ、同神社は昨年1月にパンフレットを改訂し、こうした由来を紹介した。

 参拝者向けに、自分でおはらいができるよう祓串を本殿前に設けたことも増加につながっているとみられている。

 遍路に関する本を見て大麻比古神社に立ち寄った愛媛県新居浜市の藤田博文さん(68)は「遍路道は狭い山道も多いので、道中の安全をお願いした」と話した。

 同神社では、逆打ちが多かった今年と違って来年は1番札所から始める順打ちが増えるため、より多くの参拝者が見込まれる。お遍路さん向けのお守りについては現在、デザインなどを検討している。同神社は「1番札所に近いので、ぜひ立ち寄ってほしい」としている。