介護の苦労や悩みなどを話し合う会員=那賀町和食郷の鷲敷中央公民館

 那賀町鷲敷地区の認知症の家族を持つ住民が、不安や悩みを抱え込まずに共有して孤立感を和らげようと、家族の会「在宅介護癒やしの会」をつくって励まし合っている。同町によると、認知症患者の家族の会ができたのは町内で初めて。

 認知症の夫を介護する元民生委員の徳永サトミさん(83)=同町和食郷=が7月、同じように在宅介護をする60~90代の知人女性8人に声を掛けて結成した。月1回、同町和食郷の鷲敷中央公民館に集まり、それぞれ近況などを報告している。

 会費は1回200円の茶菓子代だけ。一番の目的は「笑う」ことだ。「自分の家なのに帰れって怒鳴られて、思わず蹴っ飛ばしてやろうかと思ったわ」。ある参加者がおどけながら話すと、「分かる分かる」と他の会員が笑いながら相づちを打つ。愚痴のようにも聞こえるが、言葉の節々には家族への愛情がにじんでいる。

 メンバーには会合が支えになっている。90代の女性は「先の見えない不安も、ここに来れば忘れられる。また1カ月頑張れる」と話す。介護で工夫していることなどの情報交換も行っている。

 徳永さんは「愛する家族が病気で変わっていく姿を見るのはつらいが、家族の笑顔を見るためには、まず自分が笑顔にならなければと思った。少人数で、近所の気心が知れた間柄だからこそ何でも話せる」と話している。