徳島県の飯泉嘉門知事は28日の年末会見で2016年を振り返り、消費者庁の誘致を目指す取り組みについて「県内で行った2度の試験業務が、日本の新しい働き方改革、統治機構の在り方、東京一極集中の是正に向けた動きをもたらした」と述べ、成果を強調した。
知事は3月と7月の試験業務で、ウェブ会議システムなどの情報通信技術(ICT)を使い、東京・霞が関と共に業務を行うテレワークに取り組んだ点を説明。各省庁にテレワーク導入の動きが広がっている点を挙げ「霞が関が大きく生まれ変わるきっかけになった」と指摘した。
県庁内に17年度、消費者庁の新たな政策立案拠点「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」が開設されることについては「国と全てを共有し、これまでになかった新しい価値観が徳島からスタートを切る年にしたい」と述べ、全面移転に向けて改めて決意を語った。
知事はこのほか16年の成果として、温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す「脱炭素社会の実現に向けた気候変動対策推進条例」の制定、20年の東京五輪・パラリンピックの大会公式エンブレムに藍色が採用されたことを受けた阿波藍PR事業などを挙げた。
4月の熊本地震や10月の鳥取中部地震など、甚大な被害をもたらした自然災害にも触れ、「昭和南海地震から70年、東日本大震災からは5年。防災、減災対策を再確認してもらう年になった」と話した。