チャリティーオークションの収益で購入された移動図書館車=徳島市の眉山山頂

 徳島発アニメの祭典「マチ★アソビ」のチャリティーオークションの収益で購入した移動図書館車が、東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町に贈られる。9日に徳島県庁を出発する。

 運営団体のNPO法人マチ★アソビと、近藤光・総合プロデューサーが社長を務めるアニメ制作会社ユーフォーテーブル(東京)が計画した。

 移動図書館車は、正面に「マチ★アソビ移動図書館」の文字が記され、両側面に本を手にしたアニメキャラクターなどが描かれている。1・5トントラックを購入して改造し、約千冊の本が載せられる。車両購入・改造費は1150万円。

 9日午後4時に県庁を出発。大阪や東京にあるアニメショップ「マチ★アソビカフェ」などを巡回して本を集め、16日に南三陸町に到着する。来年1月から、町内の小学校や災害公営住宅のある地区などを巡回する予定。

 チャリティーオークションは、震災発生後の2011年10月から毎回実施し、売り上げは義援金として被災地に送っていた。関係者から「みんなで楽しむ『マチ★アソビ』らしい支援ができないか」との声が上がり、移動図書館車の受け入れを承諾した南三陸町への寄贈が決まった。

 今年10月のマチ★アソビでは、眉山山頂などで移動図書館車がお披露目され、来場者から約120冊の本が寄贈された。

 近藤社長は「来場者や協力企業の善意を形にできてうれしい」と話す。南三陸町図書館の大森隆市館長は「震災から7年たっても被災地に目を向けてもらい、ありがたい」と喜んでいる。