老朽化している石井町清掃センターの焼却炉を延命させるため、町が本年度に復活させた家庭用電気式生ごみ処理機などの購入補助事業が苦戦している。当初予算で300万円を盛り込んだものの、これまでの利用は12件の約10万円にとどまっている。周知不足に加え、1台数万円の自己負担が必要になることなどが理由とみられる。
補助対象は、生ごみを乾燥させる処理機(3~7万円程度)と、生ごみを肥料に変える「コンポスト」(7千円前後)で、町内の店で購入することが条件。購入費の2分の1(上限3万円)を補助する。これまでの利用は処理機が5件、コンポストが7件。
補助事業は1999年度に設けた。99年度は94件、2000年度は79件と人気だったが、11年度には6件に減ったため打ち切った。
しかし、焼却炉の老朽化が深刻化。可燃ごみの4割を占める生ごみを減らすため復活を決めた。99年度実績を参考に16年度当初予算を組んだ。
町は、ごみの収集日を記した「ごみカレンダー」で周知してきた。電気店や不動産業者などにも協力を求め、来店者に利用を呼び掛けてもらっているが、利用が広がらない。
14日の町議会12月定例会一般質問でも取り上げられ、町議から「補助率を引き上げてはどうか」と制度の改善を求める意見が出た。
建設から38年がたつ焼却炉は7月下旬、炉1基の内部で耐火レンガが剥がれ、修繕や民間業者への焼却委託に急きょ1139万円を要した。町清掃センターは「補助率引き上げは考えていない。焼却炉の窮状を理解してもらい、協力をいただけるようPRする」とし、ケーブルテレビなどを通じ利用を呼び掛けていく。
処理機の補助事業は他自治体でも導入している。徳島市は16年度当初予算230万円のうち、これまでに110万円(46台)の利用がある。補助額は石井町と同じ。15年10月から対象を市外の店舗やインターネットで購入する場合にも広げたことが効果を見せ、3割がその利用だという。