板東俘虜収容所で写真に収まるドイツ人捕虜ら。ニーダーザクセン州とのユネスコ記憶遺産共同申請で、収容所の様子を伝える資料はさらに充実しそうだ(鳴門市ドイツ館提供)

 徳島県と鳴門市が準備を進めている板東俘虜収容所(同市大麻町)関連資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産への登録申請に、県が友好提携しているドイツ・ニーダーザクセン州が加わる見通しとなった。2017年5月に同州のシュテファン・ヴァイル首相が来県し、共同申請について合意を目指す。ドイツ側の保有資料も申請対象に加える予定で、登録実現へ大きな弾みとなりそうだ。

 県教委によると、4月に担当者が同州を訪れ、世界記憶遺産への共同申請について協議した。県と鳴門市による登録申請の準備状況や今後のスケジュールを説明して協力を求めたところ、州側の担当者は前向きな姿勢を示したという。

 17年は、板東俘虜収容所開設100周年や県と同州との提携10周年の節目の年となる。県は一層の交流拡大を目指し、4月にドイツ・ハノーバーで開かれる欧州最大の産業展に県ブースを出展。これに合わせ、飯泉嘉門知事が同州を訪問し、ヴァイル首相と共同申請について会談する。

 5月にはヴァイル首相が県の招きに応じて徳島を訪問。知事と共同申請に向けた詰めの協議を行う予定だ。

 登録に向けては現在、有識者でつくる資料調査検討委員会(委員長・有馬学福岡市博物館館長)が申請対象となる資料の絞り込みや調査を進めている。日本語版の申請書原案を16年度中にも完成させ、18年の申請、19年の登録を目指している。

 共同申請が実現すれば、捕虜が収容所から家族に宛てた絵はがきや収容所の写真など、同州のリューネブルク市文書館が保有する50点近くの資料も申請候補に加わる見込み。最終的には700点を超える資料が申請対象となるとみられる。

 県教委教育文化課の草野純一課長は「詰めの調整を進めているが、ニーダー州も共同申請に前向きで、来年には良い発表ができるのではないか」と話した。