コースの確認をする岸さん=石井町石井

 63回目を迎える徳島駅伝(徳島陸協、徳島県、徳島新聞社主催)で、競技役員として40年以上にわたり、選手の安全確保に奔走してきた男性がいる。現在は審判長を務める岸勉さん(73)=石井町石井、徳島陸協競技運営委員長。選手の先導や走りやすいコースの設定などに心を砕いてきた。「安全対策に万全を尽くし、大会を成功させたい」と、今回も準備に余念がない。

 岸さんが競技役員になったのは第21回大会(1975年)。車に乗り、選手を安全に先導したり、たすきの受け渡しの違反がないかを監視したりする監察員を務めた。第47回大会(2001年)からは審判長に就任し、安全なコース設定や参加者へのルール指導、地元市町や警察への協力依頼などの業務をこなしている。

 印象に残るのは第52回大会(06年)だという。鳴門、小松島両市役所前を通るコースが深刻な交通渋滞を引き起こしていたため、国道を真っすぐ走るコースに変更。その際、変更に反発する人を粘り強く説得した。「一生懸命走る選手を危険な目に遭わせられない。嫌われることも全部やってきた」と自負する。

 もともと陸上選手で、石井中学校3年の時の第5回大会(1959年)に名西郡代表に選ばれ、バス会社就職後も含めて11回連続出場した。指導してくれた教師や練習に付き添ってくれた同僚への感謝を胸に「次は支える側としてお返しを」と運営に回った。

 審判長はこれまで1、2年で交代してきたが、岸さんは異例の17年目に突入する。各チームの監督からねぎらいの言葉を掛けられると「まだまだやめられんなあ」と笑う。大会が終わった時には次回の改良点が頭に浮かんでいるという。

 今回新設する小学生区間は、陸上の練習に励む小学生も出してあげたいと、自ら主催者に掛け合って実現させた。「頑張る若い選手を見られるのがうれしい。彼らが後輩を育て、徳島駅伝を続けていってほしい」と頬を緩めた。