東京都内の大学や短大、専門学校など約200校と連携し、国際学生寮を含めた学生専用マンションの企画開発から管理運営まで一貫して手掛けるユニークな企業で、旧来型の不動産業界に風穴を開ける新たなビジネスモデルを打ち出し続けている。

 「世界有数の経済大国にもかかわらず、日本の学生の居住環境は極めて貧弱なのが実情です。国や大学が設置している国際学生寮も、留学生総数の20%にすぎません」と指摘し、「次代を担う若者の生活インフラを民間が整備していく社会的意義は大きいと考え、柔軟な発想と行動で事業を進めてきました」。

 例えば、3月に進学先を決めてから短期間での部屋探しを強いられる学生の暮らしをサポートしようと、インターネットのプロバイダー事業や家具・家電のリース業なども幅広く展開。全国の不動産会社と手を組んで、スムーズな部屋探しができる国内初のネットワークも構築した。

 業界で初めて部屋ごとの空室状況をネット上でリアルタイムに更新する仕組みを導入するなど、徹底したIT化も推進。努力のかいあって、会社設立から10年余で売上高は5倍超に躍進した。「今後は学生寮事業の全国展開に力を入れたい」と意気込む。

 古里を離れて34年。「ネット社会の進化と本四架橋に伴う物流革命は、東京と徳島の情報格差や距離を一気に縮めた」と話し、「もはや都会をまねる時代ではないし、県の枠組みだけで活性化策を考える必要性もないのでは」

 「地方の強みは都市が失ったものをたくさん持っているところ。魅力的な観光列車や癒やしの宿を開発して広域的に観光振興を図ったり、廃校を使って学生のスポーツ合宿を誘致したりと、各地域には掘り起こせていない資源が眠っていると思います」。

 やました・けいじ 三好市出身。池田高校、慶応大商学部卒。リクルートのグループ企業で不動産開発を担当するなどした後、1998年に毎日コムネット入社。同社取締役を経て、2013年8月から毎日コムネットレジデンシャル代表取締役社長。東京都文京区在住。52歳。