県産野菜を使った料理をイベント会場などで調理して販売するキッチンカー

県産野菜を使った料理をイベント会場などで調理して販売するキッチンカー

 美馬市脇町の広告会社「ナカガワ・アド」が、県産の農産物をPRするため、イベント会場に出向いて調理を行うキッチンカーを導入する。31日に徳島市のしんまちボードウオーク一帯で開かれる「とくしまマルシェ」で披露する。徳島新聞社と徳島大の連携プロジェクト・まちしごとファクトリーの実践型ワークショップ「スモールビジネス開発室」で構想を練り上げた。

 開発室から生まれたアイデアが、事業化されるのは初めて。

 キッチンカーはワゴン車を改造し、調理ができるようにグリルや冷蔵庫を設置した。食べ方を提案するとともに、生産者と消費者が交流したり、イベントを盛り上げたりする役割も担う。

 とくしまマルシェでは、県産のトマトや古代米を使ったタコライスを用意する。2月14日に徳島市のアスティ徳島で開かれる「オーガニックフェスタ」で、ホウレンソウやカブなど冬野菜の食べ比べを行う。同20日に三好市である「うだつマルシェ」では、タマネギを使ったスパイスカレーを出す。

 キッチンカーは、ナカガワ・アドと県内の農家約40戸でつくる農産物販売研究会「ベジハッピークラブ」の取り組みの一環。クラブは2010年12月に発足し、農薬や化学肥料に頼らず、南米の品種を改良したジャガイモ「インカのめざめ」、イタリア由来のトマト「トスカーナバイオレット」といった、量販店に並ばない珍しい野菜を栽培。料理のレシピなどを紹介するフリーペーパーも発行している。

 中川和也社長が昨年11、12月に三好市池田町であった「スモールビジネス開発室」の合宿に参加。地域の農業を応援しようと、温めていたキッチンカー導入の構想を発表し、参加者の意見を踏まえて実現させた。中川社長は「生産者と消費者をつなぐ広告塔として活用していきたい」と話している。