徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 蕁麻疹の発疹の特徴は膨疹です。膨疹とは蚊に刺された時のように膨れている発疹のことです。蕁麻疹には膨疹に加えて紅斑が出ることや痒みを訴えることがあります。蕁麻疹の多くはアレルギーが原因と考えられていますが、原因の分からないものや他の疾患が蕁麻疹を生じさせることもあります。今月は蕁麻疹について考えてみました。

 蕁麻疹は何らかの機序で皮膚肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されることによって発生すると言われます。血管や神経にはヒスタミンの受容体がありますから、放出されたヒスタミンが血管に作用して透過性を亢進させると血管から漏出した血漿成分が膨疹を生じさせます。また血管が拡張することによって紅斑が出現し、さらに神経を直接刺激すると痒みが生じます。

 蕁麻疹には原因を特定できない特発性蕁麻疹、特定の刺激に誘発されて出現する刺激誘発型の蕁麻疹、血管性浮腫、蕁麻疹関連疾患の4つがあります。

 この中でも小児科領域で多く見られるのが前のふたつです。特に原因が特定できない蕁麻疹で速やかに消褪するものが最も多いと言われます。刺激誘発型の蕁麻疹の中には食物や薬品、植物などによるアレルギー性の蕁麻疹、特定の食物や薬品によるがIgEの関与しない非アレルギー性の蕁麻疹、アスピリン蕁麻疹、物理性蕁麻疹、コリン性蕁麻疹、接触蕁麻疹などが区別されます。

 蕁麻疹の原因が特定される時にはその原因を取り除くことが治療の原則です。蕁麻疹の中には緊急性を要するものがあります。アナフィラキシーは症状が速やかに進行しますから注意が必要です。