徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 子どもの死亡原因の中では「不慮の事故」が上位を占めます。事故を予防して子どもの安全を守るためにはどのような事故があるのかを知り、原因を探り、対策を立てる必要があります。事故を見て保護者に「注意しましょう」と言うだけでは事故を減らすことは出来ません。今月は子どもの事故について考えてみました。

 不慮の事故に伴う傷害には誤飲・中毒、火傷・熱傷、気道異物、窒息、溺水、交通事故、外傷、刺咬傷、熱中症、ガス中毒、感電などがあります。

 このような事故はどの年齢層でも発生しますが、起こりやすい事故と年齢には密接な関係があります。また世の中にある製品や環境は健康成人が利用することを目的に作られていますから、事故による傷害の多くは機能が未熟な乳幼児や機能が衰えていく高齢者や障害者に発生します。

 製品や環境は便利さや快適さが要求され、日々新しい製品や環境が作られています。新しい製品や環境は乳幼児も利用しやすくなりますから、その結果子どもの事故や傷害につながやすくなります。

 子どもが事故を起こしやすい理由は、子どもが発達することにあります。昨日まで出来なかったことでも今日、急に出来るようになりますから、その結果事故が発生します。寝返りが打てなかった乳児がある日突然ソファーから落ちることがあります。事故は注意して見ていても保護者の目の前で起こります。

 ひとつの事故の背景には同じような事故が数多く発生しています。事故を知り、原因を探り、予防策を立てることが大切です。