徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)
子どもの事故による傷害を減少させるには起こりやすい事故を知って予防策を講じることが大切です。特に生命に関わるような重大事故の傷害予防策には社会環境の改善だけでなく法律整備を緊急に行う必要もあります。
生命に関わる事故の多くは交通事故で、自動車や自転車の事故、道路上で歩行中の事故に遭うことは大変危険です。
溺水事故は池や川や海での水遊び、釣りやボート遊びで発生することがありますが家庭内の浴槽で発生することもあります。
転落事故は乳児ではベビーカー、ベッド、クーハン、歩行器、ショッピングカートなどからの転落が見られます。大きくなると階段やベランダ、窓からの転落事故が発生するようになります。
衝突事故はスポーツ競技中に発生することが多くスキー、スケート、スケートボード、キックスケーターで発生することがあり、ガラスへの衝突で惨事に至ることもあります。
その他、ドアや窓で指を挟む、熱傷や火傷、誤飲や気管支異物、衣類などの紐で絞扼しての窒息、ペットによる咬傷、口腔内や眼球・耳の刺傷など様々な事故が発生します。
交通事故を予防するためにはシートベルト、チャイルドシート、ヘルメットの装着などが法律で義務化されました。このように法的な規制を始め社会全体で事故予防に取り組むことが求められます。
家庭内でも多くの事故が発生しますから、事故を想定して対策を立てることです。子どもの安全を守るためにはすべての人が安全に対する意識を高めておくことが大切です。