「スポーツを通じて、高校生の時にしか体験できない喜びや感動を味わわせたい」。高校スポーツ界のまとめ役を任され、力を込める。多感な高校時代を人間形成や体づくりの大切な時期と捉えており、しっかりとしたサポート体制をつくるのが目標だ。

 新年度、校長として赴任した鳴門渦潮高のトレーニング設備などは「可能な範囲で他校の生徒たちに開放したい」と言う。競技人口を増やすことも大きな役割。子どもの部活離れが叫ばれて久しいが、その責任は大人にもあると考えている。「周囲の大人がもっと積極的にスポーツの魅力を伝えるべき。地域の総合型スポーツクラブとも連携して、スポーツ好きの高校生を増やす」

 城南高、広島大ではラグビー部でプレーした。高校の保健体育の教員になってからは徳島市立、鳴門の両高で計18年間、ラグビー部監督を務め、チームを2度、花園へ導いた。高校スポーツへの思いは人一倍強い。

 高校総体の運営にも全力で取り組む考えだ。「選手が頑張っている姿や悔しくて落胆している姿など、さまざまなシーンをいろんな人に見てもらい、スポーツの素晴らしさをアピールする」

 好きな言葉は「堂々たる敗者。謙虚なる勝者」。スポーツは人の生き方や考え方をも指南してくれると信じている。

 趣味は日課のウオーキングと四国霊場巡り。札所では何度も心が浄化される気分を味わった。鳴門市瀬戸町明神の自宅で妻、長男と3人暮らし。57歳。